より製造業に近くなる印刷会社

印刷会社は、もともと統計上からも製造業とされていました。しかし、デジタル化の進展やコンテンツ メーカーとしての役割が期待されるようになってきてからはサービス業のような業態とみられるようになりました。しかし、まだまだ進化する印刷技術によって印刷会社は製造業に本家帰りしています。

 

マイクロ印刷技術

手先の器用な日本人は、江戸時代から豆本を作った り、米粒に毛筆で経文などしてきました。その伝統を受け継いでいるのか、製造業で使う数の単位がミリからマ

イクロ、ナノになるにつれて、印刷技術にもかつてない小さな印字を可能にする技術はすでに汎用の印刷機器や 収縮専用カメラ、イメージセッターなどの製版材料の解像度によって、可能となり、アーカイブのコンテンツをたくさん作ってきました。

 

さ ら にこれらの技術は、半道体製造などIT関連産業にも応用され、世界的にも開発競争が続いています。

 

NECO印刷

一方、ビルの壁面などに貼る巨大ポスターなど、大きなものへ 印刷するNECO印刷の技術も進化し、屋外の大型垂れ幕や室内装飾パネルなど大型カラー印刷の 商品化も実現し、サイン看板業者としての印刷会社に転換しているところも出てきました。 NECO印刷の基本サイズは素材の巻きつけドラムによって決まりますが、しかし、継ぎ合わせたり、貼り合 わせたりすることで、サイズを無限にしています。 さらに、大手印刷会社では、デジタルサイネージを使っ た技術によって、新たなコミュニケーションメディアとして事業を展開しています。

 

ものづくりと印刷技術

さらに、進化した印刷技術では、紙製品以外のものを たくさん生み出しています。 ブリ キやアルミ、ステンレスなどの金属製品への印刷 では、これまでのオフセッ ト印刷方式のほかに、転写に よる印刷や印刷したフィルムを金属板に貼り合わせる ラミネー卜法などが行われています。 さらに、建築資材のような大型の金属製品についてもグラビア印刷やオフセッ ト印刷の技術が応用されるよ うになってきました。食品では、 コピー機のような静電 印刷の技術で食用印刷が施されたものが生まれていま す。ビスケットにチョコレート でキャラクターなどを印刷したお菓子がありますが、最近では、地方の食品メ ー カーが介護食品に食用印刷を施して、介護者にも食欲 を湧かせる食品を開発しています。とのほかモノに圧力 を加えないで刷るカ ールフィッ ト印刷や印刷物にフルカラーで立体画像を実現するホログラム印刷なども実用 化され、クレジッ トカードや商品券などのセ キュリティに使われています。

 

食用印刷とものづくり

鶏卵への直接印刷技術は、既に実用化されていますが、果実や食品に直接印字

できる食用インクも積極的に研究されており、新しい商品作りに活用されるようになってきてい ます。シュガーペーパーに食用インクでイラスト・写真・メッ セージを プリントし 、チョコレートに貼り付ける「プリントチョコレート(プリチョコ ) や、タピオカの繊維質で作った紙にプリ ントを施し、ケーキに貼り付ける 「プリ ントケーキ」等がありますが、山形県のある給食業者では、魚肉のソフト介護食に魚の皮の模様を食用インクで印刷して、リアル感を出す研究も行っています。今後も食用印刷の技術は、食品の新たな可能性を広げてくれることでしょう 。

 

次世代の印刷新技術と印刷会社

3Dプリンターを使った新事業や最近、山形大学有機エレクトロニクス研究センターが発表した、曲面に電子回路を直接印刷する技術「三次元曲面印制電子回路技術(3D-‘PE) 」など、印刷の新技術の開発が 続き、印刷業界では新しいビジネスモデルが誕生しようとしています。

凸版印刷の新しいソリューションとして

3Dプリンターを使ったビジネスはすでに多方面で実 用化されていますが、凸版印刷でも2032 年から、 3 Dプリンターを使って、食品やトイレタリー、医薬品業界などの試作品作りのためのサービスを始めていますが、さらに自社の製品として、紙メディアでの活用のほ か、デジタルデ ータとしての活用を進めています。

紙メディアでの活用では、カタログやポスターなどの 印刷物の写真やイラスト部分を360度あらゆる角度 で表現するために3DCGを活用するといった場面な どで活用したりしています。