デジタルデータの活用として

さらに、 AR(Augumented Reality:拡張現実)という画像コンテンツのデー タ作成としての活用などに取り組んでいます。これらの技術を商品のパッケージ印刷に活用したり、 書籍の図鑑やカタ ログなどに活用することで、いろいろなコンテンツが作られています。 また、 VR技術の活用では、ゲームなどの娯楽や建築、 医療などでの活用のほか、博物館などでの展示にも使われ、凸版印刷が運営している印刷博物館では、文化財鑑賞などに使われて、臨場感に溢れる演出方法などに使 われています。また、 VR技術の活用では、ゲームなどの娯楽や建築、 医療などでの活用のほか、博物館などでの展示にも使われ、凸版印刷が運営している印刷博物館では、文化財鑑賞などに使われて、臨場感に溢れる演出方法などに使 われています。

 

曲面への電子回路の印刷技術

山形大学有機エレク トロニクス 研究センタ ーの時任静士教授が発表した、 曲面に電子回路を直接印刷する技術「 三次元曲面印刷電子回路技術(3D‐PE)」では、想 定する応用先として、自動車の運転席回りの計器類や操作パネル(インパネ)に実装するタッチパネルや自動車 の車内配線、曲がったきょう休上のアンテナなどへの応 用が可能だと述べています。

印刷による電子回路の形成は、設備などの初期投資や材料の使用量、消費エネルギー 、生産性などの点で効率的な電子デバイスの製造方法として注目が高まっている技術ですが、従来は平面(二次元)への適 用に限られていましたが、曲 面や凹凸のある表面などへの電子回路の印刷が可能になることで、その用途は格段に広がるとされています。 このように、 印刷の新技術の開発に伴い、 印刷という概念が根底から大きく変わり、印刷会社が名実ともに 製造業の一員として、もの帆つくりの拠点にかわることが期待されています。

 

搾り機から印刷機

グーテンベルグがワイン製造用のブドウ圧縮器を応用して作った木製印刷機は、

人の手でレバーを引くと、ねじの力によ って垂直方向の力が版面にかかるという動 カの仕組みで、「ハンドプレス」と呼ばれています。当時「プレス (Press )」という言葉は、「圧搾、ぶどう搾り機」という意味でしたが、この発明により 、新たに「印刷」という 意味も持つようになったのです。

その後グーテンベルグは大規模な活版印刷本として「聖書」を出版していますが、 数百年経ったいまでも、「グーテンベルク聖書」と呼ばれ、世界で最も美しい印刷

物のーつとされています。聖書のページは、ほぼ42 行で組まれていることから「四二行聖書」とも呼ばれ、完全な形で世界に48 セット現存しています。

 

AR技術と印刷業界

ポケモンのAR ゲーム 「Pokemon GO」といえばピンとくると思います。これまで架空の世界にしかいなかったポケモンが現実世界に存在するかのようなゲームです。 AR とは、 Augmented Reality の略で拡張現実と訳されていますが、「バーチャル」と「リアル」を現実の同じ空間に融合させることで、いままで表現しきれなかったことが形にできるようになります。

AR は、 1960年代後半に開発が始まり、 90年頃に現実と仮想をオーバーレイさせる 研究が確立されました。AR の利用用途は、当初、産業を中心にメンテナンス・マニュアルや医療教育、そして軍事などが想定されていました。複雑なデータや知識だけのわかりにくい現実を直感的なビジュアルとして表現できるからです。ある車のショールームでは、 AR でエンジンの内部構造を展示する取り組みも行われました。その後、 ARを利用した紙媒体の広告とARを組み合わせた雑誌や様々なプロモーション活動に利用されるようになってきました。 そしてパソコンやタブレッ卜・スマー卜フォンなどの急速な進化は、 AR技術の利用 拡大にも拍車をかけています。(紙媒体+AR」「展示会+AR」 など、既存のプロモーションに+0 でAR技術を組み込み、消費者に分かりやすさやインパクトを与えることができます。スーパーのチラシではAR限定のタイムサービスや福引の抽選もできます。ベビー服のチラシやカタロクでは、子供の写真と組み合せて、家具屋さんのカタログでは自分の部屋に仮想で置いたりすることもできます。地図などのナビゲーション情報も AR に対応してきています。

教科書の世界も変わってきています。タブレッ卜やスマートフォンを教科書にかざ

すと、描かれているイラストが立体的になって動いたり,動画が流れたり、日本語が

英語になったり音声が出たりもします。 今後、高齢者時代の認知症対策や訓練にも AR は使われていきます。AR 関連事業は、印刷業界の中でも、ますます巨大な市場を創出していきます。

 

印刷業界における 環境問題

大量消費社会において、紙の消費は文化のバロメーターと呼ばれ、先進国においては大量に排出される印刷物もまた経済発展の象徴でした。しかし、近年天然資源の枯渇や水質汚濁による環境破壊等、様々な地球環境問題が発生し、あらゆる産業において、地球環境の保全と環境への負荷の少ない循環型社会への対応が求められ、技術転換を迫られてきました。印刷産業界においても環境問題への対応は重要な経営課題の一つであり 、業界団体がリードする形で、環境問題への対応に積極的に取り組んでいます。

 

印刷業界が直面する環境問題

高度経済成長の歪みとして、公害が大きな社会問題となり、これを契機に日本では、「公害対策基本法」が制定されました。印剛業界においても古くから、水質汚濁や騒音・振動、化学物質の処理、紙資源のリサイクルなどの環境問題に直面してきました。

 

一環境対策の歴史

その後日本では、 1971年に環境庁が発足し、「公害対策基本法」と「自然環境保全法」の理念と精神を受け継ぐ形で、「環境基本法」へと法改正され、 国民生活や企業活動に対して、大気汚染や水質汚濁、騒音・振動、悪臭、廃棄物処理、省エネ、リサイクル、労働安全衛生など、様々な環境問題への対応を求めてきました。さらに、環境省に組織が再編成され、 それまでの「大量生産・大量消費 ・大量廃棄」型の経済社 会から、環境への負荷が少ない「循環型社会」を 形成することを目指した「循環型社会形成基本法」が制定されました。

 

印刷業界が直面する環境問題

これら環境行政の変遷は、印刷業界においても無縁ではありませんでした。もともと印刷産業は、大量生産・ 大量消費を背景に、目覚しい発展を遂げてきた産業で、 印刷産業自体、 比較的人口が密集し、情報が集まる都市部に多く立地され、製品の性格上からも、生産・消費のほか、大量破棄とも無縁ではありませんでした。 また、製造工程上でも、様々な資源やエネルギー、薬品、溶剤などを消費し生産が行われるごとから、水質汚濁や騒音、紙のリサイクルや廃棄物問題などの環境問題にも直面し、業界としての対応が注目されてきました。

 

気・ガ スなどによる二酸化炭素の排出量は82万トンで、他産業に比べて特に負荷量が大きいというものでは なく、紙の負荷量が高くなっています。